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紙切れの判決

ある人が知人に100万円を貸しました。
その際には,借用書も領収証もきちんと作った上で
現金を渡しました。
しかし,いざ返済期日になっても返してくれません。
そこで,お金を貸した人は,
借用書や領収証を証拠として,裁判をおこし,
借り主を訴えました。
証拠もばっちりそろっていますので,当然,貸し主は
勝訴し,「被告は原告に対して100万円を支払え」との
判決が出ました。
しかし,判決が確定しても,借り主は一向に払ってくれません。
実際問題として,判決が出ても払わない人はかなりの数います。
そのような場合,貸主は,勝訴判決を手にしていることから,
借主の財産を「差し押え」することを考えなくてはなりません。

しかし,もし,先ほどの借主がホームレスであり,借りた100万円は
すべてギャンブルで使ってしまい,持っている財産は段ボールハウス
しかないという場合には,どうなるでしょう。
差し押さえるべきものが無いので,結局,貸主は何も差し押さえることができず,
苦労して裁判を起こし,審理の結果勝ち取った判決はただの紙切れということになってしまいます。

民事事件では,このようにたとえ勝訴判決を勝ち取ったとしても
現実に回収することができず,ただの紙切れになってしまうということが
少なくありません。

したがって,訴訟を起こすかどうかを考えるにあたっては,
現実に回収が可能かどうか,相手に差し押さえるべきものが
あるかどうかを考慮しないといけないということになります。
一般的には,不動産,車などの高価な動産,預貯金,給料の有無などを
確認しないといけないということになるでしょう。

また,そもそも勝訴判決をとっても現実に回収ができない場合が
あるのだということからすれば,先に差し押さえるべきものを確保しておく
ということ,すなわち不動産などを抵当に入れるなど「担保をとる」
ということがいかに重要かがわかります。
また,借主に財産が無い場合には,ほかに財産を持っている人,
すなわち差し押さえることが可能な財産を持っている人を
保証人とするということも重要となります。


 
  • 2014.04.25 Friday
  • 11:57

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